Danny Boy[The Londonderry Air]の愛すべき歴史

大好きな曲のひとつ、アイルランド民謡のDanny Boy。その起源や歴史はとても興味深いです。

この曲に歌詞がつけられたのは1913年で、100年とちょっとの歴史しかありません。
歌詞がつけられる前、「ロンドンデリーの歌」というメロディーが存在していました。

「ロンドンデリーの歌」(Londonderry Air)

イギリス領の北アイルランドでは事実上の国歌としてアイルランド移民の間でも人気高く、世界で愛されるアイルランド民謡です。
ロンドンデリーとは北アイルランドの県の名に由来しています。

この曲はロンドンデリー県リマヴァディのジェインロスという女性により採譜されました。
諸説ありますが、19世紀にジミーマッカリという盲目のアイルランド人のバイオリニストが路上で演奏していた曲を聴き取ったと言われています。
採譜した譜面をを音楽収集家のジョージペトリに預け、この曲は1855年発行の「The Ancient Music of Ireland」に収録されました。
無名の曲でしたが「ロンドンデリーのジェインロスの収集による」という注釈がついたため、この曲は「ロンドンデリーの歌」として知られることになりました。

Airとは独唱曲を意味する音楽用語で、自由に歌詞をつけて歌われる楽曲のことを表します。
イギリスの植民地であったこの土地は、12世紀から800年にわたり、差別と抑圧を受けていたため、
いくつも生み出された民謡には、アイルランド人たちにとって複雑な意味を含ませた内容でした。
そうした特別な歌のひとつとして、17世紀ころから子孫へ歌い継がれてきました。

「ダニーボーイ」(Danny Boy)

1913年、イギリスの法律家で作詞家のフレデリックウェザリーが歌詞を付け、Danny Boyというタイトルをつけました。

 Danny Boy
Oh Danny boy, the pipes, the pipes are calling
From glen to glen, and down the mountain side
The summer’s gone, and all the roses falling
‘Tis you, ‘tis you must go and I must bide.
But come ye back when summer’s in the meadow
Or when the valley’s hushed and white with snow
‘Tis I’ll be here in sunshine or in shadow
Oh Danny boy, oh Danny boy, I love you so.

But when ye come, and all the flowers are dying
If I am dead, as dead I well may be
You’ll come and find the place where I am lying
And kneel and say an “Ave” there for me.
And I shall hear, tho’ soft you tread above me
And all my grave will warmer, sweeter be
For ye shall bend and tell me that you love me
And I shall sleep in peace until you come to me.

[和訳]
おお ダニーボーイ
いとしきわが子よ
いずこに今日は眠る
戦に疲れた体を
休めるすべはあるか
お前に心を痛めて
眠れぬ夜を過ごす
老いたるこの母の胸に

おお ダニーボーイ
おお ダニーボーイ帰れよ

おお ダニーボーイ
いとしきわが子よ
たよりもすでに途絶え
はるかなその地のはてにも
花咲く春はくるか
祖国に命をあずけた
おまえの無事を祈る
老いたるこの母の胸に

おお ダニーボーイ
おお ダニーボーイ帰れよ

様々なアーティストに愛され、カバーされています。

紹介したらきりがないです。それぞれ良さがありますね。

Danny Boyを弾いてみる

特に心酔してならないのがこの演奏です。聞いた瞬間に雷に打たれました。

なんと楽譜も公開されています。神ですね。

楽譜が読めない、そもそもピアノ弾いたことないけど、弾いてみたい!という方はこちら

難しいところははしょって3分程度になっています。
目でみて覚えて弾くことは十分可能です。弾き方の手順をまとめてますのでこちらを参考に。

ピアノで人生が豊かになる人が一人でも増えれば幸いです。

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